(コペンハーゲン演説) トロツキー/訳 渡辺 憲正 【解説】これは、1932年11月にデンマークのコペンハーゲンで行なわれた有名な演説である。トロツキーはこの長い長い演説をすべてドイツ語で行なっている。この演説の中で、トロツキーはほぼ全面的な形で、永続革命論の基本概念から、ロシア革命の特殊性、ボリシェヴィキの性格と意義、そしてロシア革命に対する無数の批判に対する反論にいたるまで、系統的にロシア革命を論じている。その擁護論は、基本的に今日でも有効である。ロシア革命、とりわけ内戦時におけるボリシェヴィキ政権のあれこれの残酷な側面や多くの犠牲者を理由に、ロシア革命そのものを否定しようとする言説は、ソ連崩壊をきっかけに、かつてなく流布したが、トロツキーのこの演説はすでにそのような否定論に対するきわめて説得力のある反論になっている。 ただし、20世紀後半に発展したエコロジスムを始めとする新しい思想を