作家・太宰治の生誕105年に合わせて太宰の生涯を資料でたどった「太宰治展」が横浜市で開かれています。 代表作「人間失格」の直筆原稿から、中学・高校時代のノートの落書き、遺品や貴重な写真など、最近になって発掘されたものも含めて350点の資料を通して太宰文学の魅力が紹介されています。 「人間失格」の直筆原稿に見る試行錯誤 太宰治展は、生誕105年に合わせて「語りかける言葉(ことば)」をテーマに企画されました。 会場を入るとすぐ、「人間失格」の草稿と直筆原稿の一部が展示されています。 「人間失格」の主人公、葉蔵は、少年時代からわざと鉄棒を失敗するなど、「道化」を演じ続けました。 この「道化」を演じ続ける理由について、太宰が2度にわたって変えたことが展示資料で説明されています。 最初の草稿では、「愛情から」とされていたのが、途中で「思ひやり」に代わり、完成稿では「『必死の奉仕』から」と書き改められ