《『Voice』2008年3月号より再録》 Voice編集部では、2008年3月号の巻頭企画「時代を拓く力」に、“人の皮膚から「万能細胞」を作製し、世界が注目する科学者”として、山中伸弥氏にご登場いただき、「逆転の発想」の原点、職烈な国際競争を勝ち抜く「オール・ジャパン」体制のあり方などを聞いています。その記事を再録しご紹介します。 時代を拓く力/「万能細胞」で闘う日本 山中伸弥(京都大学再生医科学研究所教授・iPS細胞研究センター長) 山中伸弥氏は“行動力の人”である。昨年(2007年)11月、人間の皮膚からさまざまな臓器や組織になる能力を秘めた万能細胞(iPS細胞)の作製に成功したことを米科学誌『セル』に発表するや、メディアの取材に積極的に応じて国民へ理解を求める一方、文部科学、科学技術政策担当の両大臣に面会して国際競争に向けた「オールジャパン」体制の支援を訴えた。 iPS細胞は受精