2013年4月20日、いよいよその「実験」を世に試す時がやって来た.理研の一般公開.理論物理学研究者そのものを展示する、という試みである. 展示中.「うぉーすげぇ、わけ分からん数式書いて英語でしゃべってる」「ひょえー、なにこれ」「科学者って必殺ワザ持ってるん?」「これカッコいいねぇ」「ぼくも黒板でさんすうするー」「がちガリレオ!?」 なぜこんな試みをしたか、少しその理由と顛末を書いてみよう. 通常、どこの研究所の一般公開へ行っても、科学の成果を分かり易く説明するコーナーがあふれている.子供をとりこにするような工夫があったり、大人を惹き付けるような仕組みがあったり.研究者も広報部も大変な努力を払って、世間の方々に科学の仕組みや効用を理解してもらいまた訴えている.僕はこのやり方に、かねてから少し、感覚的に疑問を持っていた. その疑問の理由が明確になったのは、去年の一般公開の時である.僕は、延與