「最近,システムを自社で内製する企業が増えていない?」 2008年10月15日号の日経コンピュータで特集した「システム内製化 再び!~自社開発を強化する12社の決断」は,編集部内のある記者が発したこの一言が始まりだった。部内の記者や編集委員などから続々と「システム内製」の情報が集まってきた。かく言う筆者も内製回帰への兆しを感じていた。ベンダーの評判を聞いても“要領を得ない”ユーザーに最近連続して出会っていたからだ。例えば,以下のようなやり取りだ。 記者:ベンダーの提示するシステム開発のコストについて,妥当性の判断が難しいとの声を聞きます。どのように判断していますか? A社:お役に立てなくてすみません。オープン化を機に内製にしました。社内の人件費が開発費で,ベンダーに支払うのはサーバーなどハードウエアの費用のみです。 このように内製に取り組むユーザー企業では,システム部門のプレゼンスが格段に