経営者にとって、情報システムは頭痛の種になりがちだ。業務に必須だが投資に見合った効果が出るとは限らない。ほかの設備投資に比べて専門的で難解でもある。 野村総合研究所で約20年間勤務した後に、人材派遣大手スタッフサービスのCIO(最高情報責任者)を務め急成長を支えた著者が、ベンダーとユーザー両方の視点から、“システム屋”の思考回路と、上手な付き合い方を説く。 前回(第7回)では、私が“システム屋”と呼ぶITベンダー・システムインテグレーターが、業種ごとの組織体制とは異なる組織体制を作れば、従来とは異なる可能性が広がるのではないかということを説明しました。例えば、食品卸や証券会社、人材派遣会社などは、業種は違っても“仲介業”という業態で見れば同じです。互いのノウハウ・価値観を共有できる可能性があるのです。 ただし、一見“仲介業”に思えて、価値観が違うということもあります。私が経験した事例を挙げ
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