国が基本計画に加えてから40年以上お蔵入りとなってきた「東九州新幹線」の実現をめざす動きが、にわかに活発になっている。今年度、大分、宮崎両県が初の調査費を相次ぎ予算化。「整備新幹線に格上げを」と国に働きかけ始めた。だが、足もとの人口は減り続け、財政も厳しい。ハードルは依然、極めて高い。 「次は新幹線をよろしくお願いします」。11月6日に東京・霞が関の官庁街を回った大分県の広瀬勝貞知事が、東九州自動車道開通のお礼に続いて切り出したのは東九州新幹線だった。 大分、宮崎を経由して博多と鹿児島を結ぶ構想に、大分県は6月の当初予算で500万円、宮崎県も9月末に成立した補正予算に500万円の調査費を盛った。両県で計1千万円をかけて所要時間や経済効果、整備費用などを調べる。 この構想、まったくの夢物語というわけではない。1973年に国が新幹線の「基本計画」に加えた11路線の一つで、整備計画に基づいて建設