が、そもそも「小手指駅」はなんと読むのか。「こてさし」という答えを言ってしまえばなんのことはないが、知らないと意外と読みにくい。その上、よく「小手指行」に乗っていても、ほとんどの人は小手指が目的地ではないのだからどんな場所なのか見当もつかないだろう。小手指駅は読み方から実態までどうにも掴みどころのないまさしく“謎の終着駅”なのである。 というわけで、小手指駅を訪れた。せっかく地下鉄直通の列車が走っているから、乗ったのは新宿三丁目駅発の小手指行急行。小竹向原から西武線に入って地上に出ると、あっという間に練馬や保谷、ひばりヶ丘といった東京北西部のベッドタウンを駆け抜けてゆく。西武池袋線という通勤路線は所沢駅の手前まで実は結構長いこと東京都内を走っているのだが、練馬駅を出たあたりから車窓に“埼玉感”がムンムン漂ってくると思うのは筆者だけだろうか。