「下流老人」に代表される高齢者をはじめとして、子ども、ひとり親家庭など社会のあらゆる世代の「貧困」が問題となっていると感じている人は多いのではないでしょうか。しかし、その中にはまだ当然すぎるからこそ埋もれてしまっている部分があるようです。貧困を通して見える日本の社会構造にはどのような欠落があるのか、立命館大学産業社会学部丸山里美准教授にご寄稿いただきました。 ◆「女性の貧困」報道から抜け落ちているもの 2000年代に入ってから、貧困に社会的関心が集まっている。現在、日本の貧困率は16.1%といわれており*1 、メディアでも頻繁にその数値がとりあげられるようになった。当初は、ネットカフェ難民や派遣村などで見えやすい男性の姿が報道の中心だったが、最近では女性の貧困にも注目が集まり、シングルマザーとその子どもの困窮する生活実態や、貧困ゆえに風俗ではたらかざるをえない女性たちの様子も頻繁に報道
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