小惑星や彗星(すいせい)の衝突から地球を守る取り組み「プラネタリー・ディフェンス(地球防衛)」が今年から本格化する。米探査機DART(ダート)が9月、小惑星に体当たりして軌道をずらす世界初の実験をする。その後、2026年には欧州の探査機Hera(ヘラ)が、ダートの衝突でできたクレーターを観測する。ヘラには日本の小惑星探査機「はやぶさ2」の研究者たちも参加する。(増井のぞみ) ダートは米航空宇宙局(NASA)が昨年11月に打ち上げ、飛行を続けている。体当たりの目標は、地球と火星の間を公転する小惑星ディディモス(直径780メートル)の衛星ディモルフォス(同160メートル)だ。 小惑星は約115万個見つかっているが、地球に衝突すると大変な影響を及ぼす可能性がある。約6600万年前の恐竜絶滅は、直径約10キロの小惑星が地球に落ち、舞い上がったちりで太陽の光が遮られて寒冷化したからだとされる。