イスラームととりわけ深い歴史的関わりを持つアフリカ西部、アフリカ東部、南アフリカに注目し、イスラームが国家と政治とにどのように関わってきたかを植民地化以降の時間的パースペクティブのなかで考察する。イスラーム法と近代国家関係、政治的イスラームと政治史の関わり、独立運動との連動、移民コミュニティにおけるイスラームなどのトピックを扱う。歴史的な事象を詳しく分析・再構成する事例研究を通して、今日の状況を理解するための示唆を得、将来的にサハラ以南アフリカの国家と政治におけるイスラームという大きなテーマを俯瞰することを目指した野心的な論集である。