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ブックマーク / www.niid.go.jp (11)

  • ダイヤモンド・プリンセス号新型コロナウイルス感染症事例における事例発生初期の疫学

    (IASR Vol. 41 p106-108: 2020年7月号) 背 景 2020年1月20日に横浜港を出港したクルーズ船ダイヤモンド・プリンセス(DP)号の乗客で, 1月25日に香港で下船した80代男性が新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に罹患していたことが2月1日確認された(1月19日咳発症)1)。2月2日に香港から同報告を受けた厚生労働省は, 2月1日那覇港寄港時に検疫を受けたDP号船員乗客に対し, 2月3日に再度横浜港で検疫を実施した。同日夜から検疫官が船内に入り, 全船員乗客のその時点での健康状態を確認しつつ, 出港時から2月3日まで発熱または, 呼吸器症状を呈していた人およびその同室者に対し, 口腔咽頭スワブ検体を採取した。一部の検査結果が2月4日に判明し, 31人中10人でSARS-CoV-2 RNAが検出された2)。なお, DP号は船員乗客各8の計16デッキに2

  • 新型コロナウイルス感染症に関する国立感染症研究所ホームページの不適切な引用について

    新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、ウイルスゲノムの変異を繰り返しながら世界中に広がっています。日国内でも数次に渡る流行を経験し、感染管理や行動自粛、ワクチンなど様々な対策が実施されているものの、2021年7月29日には1日当たりの国内のCOVID-19患者の報告数は過去最高を記録しました。 当所では、このような状況の中で、可能な限り最新の、信頼がおける情報やエビデンスを国内外から収集・分析し、国民の健康、安全を守るために情報提供を行っているところです。ところが昨今、当所からの情報の一部を切り取り、科学的な議論の範囲を逸脱した解釈をしている内容の記事、SNSやメールマガジン投稿などが散見されます。 所から発出される文章は、多くの研究者が専門家としての責任と理念のもと、時間をかけ、熟考したうえで作成、掲載しています。文章全体を精読し、正確な内容を理解していただいたうえで、リン

  • ブラジルからの帰国者から検出された新型コロナウイルスの新規変異株について

    国立感染症研究所 2021年1月10日 PDF 英語版 要約 感染性の増加が懸念される変異株と共通する変異を一部に有する新たな変異株が、ブラジルからの帰国者から検出された。 当該変異株については遺伝子の配列に関する情報に限られており、感染性や病原性、検査法やワクチンへの影響等は現時点では判断が困難。 当該変異株の感染者は個室での管理下におき、感染源、濃厚接触者の追跡と管理、臨床経過等を含めた積極的疫学調査を行うことが望ましい。 変異株であっても、個人の基的な感染予防策は、従来と同様に、3密の回避、マスクの着用、手洗いなどが推奨される。 文 2021年1月6日、国立感染症研究所は、1月2日にブラジルから到着した渡航者4名から新型コロナウイルスの新規変異株を検出した。 当該新規変異株は、B.1.1.248系統*1に属し、スパイクタンパク*2に12箇所の変異を認める。感染性の増加が懸念される

  • 英国における新規変異株(VUI-202012/01)の検出について (第1報)

    国立感染症研究所 2020年12月22日16:00時点 PDF版 概況 英国では、過去数週間にわたって、ロンドンを含む南東イングランドで新型コロナウイルス感染症(COVID-19)症例の急速な増加に直面しており、疫学的およびウイルス学的調査を強化してきた。そして、南東イングランドで増加しているCOVID-19症例の多くが、新しい単一の系統に属していることが確認された。 英国でのウイルスゲノム解析・疫学・モデリング解析では、この新規変異株(VUI-202012/01)はいままでの流行株よりも感染性が高い(再生産数(R)を0.4以上増加させ、伝播のしやすさ(transmissibility)を最大70%増加)ことが示唆され、PCR法による核酸検査やウイルスゲノム解析から推定されるウイルス量は、増加していることが示唆されている。 英国は、12月20日から今後数週間、南東イングランドで「Tier

  • バスツアー関連新型コロナウイルス感染症集団感染事例、2020年10月

    2020年10月中旬に行われた北海道周遊バスツアー(3泊4日)の参加者の中から、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の症例が複数確認された。当該ツアーでは、バス4台に国内各地からの参加者146人とスタッフ12人が分乗していた。旅行や乗り物に関連したCOVID-19事例の報告は少ないため、その状況と得られた課題について報告する。 当該ツアー参加者のうち、2020年10月に検査で新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)が検出された人を症例と定義した。最初に探知された症例(以下、「探知症例」)は、ツアー終了後、発熱が続くことから京都府内の医療機関を受診しCOVID-19と診断された。京都府は、探知症例の搭乗していた1号車バス(座席数は補助席を除き49席)の同乗者40人(乗客37人、スタッフ3人)を濃厚接触者とするとともに、濃厚接触者が居住する自治体へ連絡を行った。連絡を受けた各自治体は

  • 一般的な会食における集団感染事例について

    国立感染症研究所 実地疫学専門家養成コース(FETP) 同 感染症疫学センター 掲載日:2020年10月16日 背景 2020年10月9日現在、国立感染症研究所実地疫学専門家養成コース(FETP)は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)クラスター対策班として35都道府県からのべ120事例のCOVID-19集団発生事例に対する調査派遣依頼に対して、都道府県、管轄保健所とともに実地疫学調査を実施してきた。今後のCOVID-19対策に資する情報提供を目的として、FETPが関わった実地調査結果の中から類似した環境下における感染伝播の状況をまとめて報告していく。今回は、「一般的な会」(以下、会という。)における集団感染についてまとめた。 方法 2020年10月9日時点において、2020年2月25日以降に、クラスター対策班として実施した実地疫学調査のうち、会で発生した集団感染における曝露状

  • 超過死亡の推定に関するQ&A(2020年8月31日時点版)

    超過死亡の推定に関するQ&A(2020年8月31日時点版) なぜFarringtonアルゴリズムとEuroMOMOアルゴリズムの2つのモデルを使うのですか。新型コロナウイルス感染症による超過死亡の推定について、ゴールドスタンダードと呼べる方法は未だありません。例えばこれまで、米国疾病予防管理センター(CDC)では様々な疾病のアウトブレイク検出法として広く用いられているFarringtonアルゴリズムが、欧州死亡率モニター(EuroMOMO)では季節性インフルエンザに関連する超過死亡の検出と測定を目的としたEuroMOMOアルゴリズムが、それぞれ新型コロナウイルス感染症による超過死亡の推定に用いられてきました。妥当性の点で両アルゴリズムに優劣は存在せず、従って分析では両者を選択しました。なぜFarringtonアルゴリズムとEuroMOMOアルゴリズムの2つのモデルで結果が違うのですか。ど

  • 我が国における超過死亡の推定(2020年5月までのデータ分析)

    ※結果をご覧いただく際の注意事項 8月現在の分析(2020年5月までのデータ分析)では、超過死亡はすべての死因を含むため、今回観察された超過死亡は新型コロナウイルスを直接の原因とする死亡の総和ではありません。外出自粛等に伴う病院不受診や生活習慣の変化に伴う持病の悪化による死亡(増加分)、さらには例年より減少している可能性があるとされる交通事故死(減少による相殺分)など、新型コロナウイルスの感染拡大による間接的な影響も含まれています。これら死因を考慮し、直接と間接を明確にした分析は、データが入手出来次第行って参ります。 要約 2012年–2020年の人口動態統計データを用いて、日における新型コロナウイルス感染症流行期における2020年1月から5月31日における超過死亡を週別、都道府県別に推定した。前回報告同様、米国疾病予防管理センター(CDC)の用いるFarringtonアルゴリズム、お

  • 新型コロナウイルスSARS-CoV-2のゲノム分子疫学調査2 (2020/7/16現在)

    国立感染症研究所病原体ゲノム解析研究センター 原文PDF版のダウンロード 新型コロナウイルスSARS-CoV-2のゲノム上にランダムに発生する変異箇所の足跡をトレースすることにより、感染リンクの過去を遡り積極的疫学調査を支援している。この調査により、これまでの経過は以下の様に説明できると考えている。中国発から地域固有の感染クラスターが発生し、“中国、湖北省、武漢” をキーワードに蓋然性の高い感染者・濃厚接触者をいち早く探知して抑え込むことができた。しかしながら、3月中旬から全国各地で欧州系統の同時多発流入により“感染リンク不明” の孤発例が検出されはじめた。数週間のうちに全国各地へ拡散して地域固有のクラスターが国内を侵し、3−4月の感染拡大へ繋がったと考えられる。現場対策の尽力により一旦は収束の兆しを見せたが、6月の経済再開を契機に “若者を中心にした軽症(もしくは無症候)患者” が密か

  • 国立感染症研究所からのお願い(横浜港で検疫中のクルーズ船より下船された乗客の皆さまへ) 2020年2月25日更新

    2月5日から19日までの健康観察の期間について、ご辛抱いただき、誠にお疲れ様でした。皆さまに心より感謝申し上げます。 皆さまにおかれましては、発熱・呼吸器症状等がなく、これまでのウイルス検査で陰性であったことから、新型コロナウイルスに感染しているおそれについての心配はないということで日常生活にお戻りになるわけですが、ご不安を感じておられる方も少なくないと思います。 国立感染症研究所からのお願いとしては、あくまで念のため、今後14日間の間(対象者の下船日の翌日を起算日とする)、対象者の住所地の都道府県等から毎日健康フォローアップが実施されますので、ご協力の程お願い致します。もし体調が通常と異なる等を自覚された場合には、地域の新型コロナウイルスに関する帰国者・接触者相談センターまでご連絡の上でのご相談をお願い出来ればと思います。また、船内で気を付けておられたように、手洗い励行やマスク着用を始め

  • コロナウイルスとは

    2021年09月30日改訂 ヒトに感染するコロナウイルス ヒトに感染するコロナウイルスは、風邪の病原体として人類に広く蔓延している4種類と、動物から感染した重症肺炎ウイルス2種類が知られている。加えて2019年に発生した新型コロナウイルスは、新たに人類に定着しそうな勢いで感染拡大している。これらのコロナウイルスについて、それぞれの特徴を下に記載する(表1)。 1.風邪のコロナウイルス ヒトに日常的に感染する4種類のコロナウイルス(Human Coronavirus:HCoV)は、HCoV-229E、HCoV-OC43、HCoV-NL63、HCoV-HKU1である。風邪の10~15%(流行期35%)はこれら4種のコロナウイルスを原因とする。冬季に流行のピークが見られ、ほとんどの子供が6歳までに感染を経験する。我々はこれらのウイルスに生涯に渡って何度も感染するが、軽い症状しか引き起こさないため

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