こんな書き出し、ずるいよね。だって普通、信じないでしょう。 私もそう思う。いきなりそんなこと言われても、コーヒーをこぼしたり、明日の予定を気にしたりしている今この瞬間の方が、ずっと現実味がある。 でも、少しだけ付き合ってほしい。 あのとき――コロナが流行っていた頃。 世界中が少しだけ静かになって、人と人が距離を取って、街から音が消えたあの時期。 あれは、「始まり」じゃなかった。 あれが、終わりでした。 劇的な爆発も、巨大な隕石もなかった。 ただ、静かに、丁寧に、幕が引かれただけ。 誰も気づかないくらい、やさしい終わり方で。 だから、あなたは今もこうして「続いている」と思っている。 走馬灯ってあるでしょう。 死ぬ直前に、これまでの人生が一気に流れるやつ。 あれは人間ひとりの話だと思っていたかもしれないけど、 今回は少し規模が違う。 これは――地球の走馬灯です。 朝が来て、夜が来て、誰かと話し

