バレンタインデーが近づくなか、チョコレートの原料になるカカオについて、近年注目が高まっている。紀元前の中央アメリカに起源を持つとされるカカオは、赤道を中心とした南北20度以内のいわゆる「カカオベルト」と呼ばれる限られた地域で主に栽培されているがゆえに、生産量も限定されている。 一方で、世界的な需要は拡大しているため、カカオの商品価格はこのところ高騰しており、消費国では自国での生産に関心が向いている。安定供給の可能性をにらんで、日本国内でも栽培研究が始まりつつある。 チョコレートなどのOEM(相手先ブランドによる生産)を行っている平塚製菓(埼玉県草加市)の平塚正幸社長は、東京産のカカオを使ったチョコレートづくりに取り組みたいと、2010年に小笠原諸島の母島で独自にカカオ栽培を開始した。この取り組みに小笠原村で折田農園を経営する折田一夫さんが共鳴し、プロジェクトを共同で進めてきた。 当初は挫折