ナラやシイなどに寄生する虫によって病原菌が広まり樹木が枯死する「ナラ枯れ」の被害が茨城県内で広がっている。2020年度につくば市で初確認後、3年間で県内全域にまん延。予防や防除の対策は喫緊の課題だ。里山荒廃や地球温暖化に伴う気温上昇も要因の一つとされ、官民挙げた抑止策が求められる。自然保護のNPOが環境学習に生かす動きも出始めた。 ■拡散防止へ伐採 土浦市宍塚の宍塚大池。周辺の森に昨年9~11月、広葉樹を巣くう虫を捕らえるわな(トラップ)や防除シートが仕掛けられた。捕獲の対象は、ナラ枯れの原因となるカシノナガキクイムシ(カシナガ)だ。 主体となったのは、大池周辺で自然保護活動を進めるNPO法人「宍塚の自然と歴史の会」(森本信生理事長)。里山との共生を学ぶ学習の一環で、ナラ枯れ調査班をつくり、小学生と保護者も加わった。児童は調べ学習にも取り組んだ。 トラップのほか、カシナガが入り込んだ穴の周