米オープンAIのChatGPT(チャットGPT)は高性能な対話型AIとして世界中で注目を集めた。ChatGPTは大量のテキストを学習した「大規模言語モデル」というタイプのAIだ。このAIは自然な文章を作るのが得意だが、数学のように論理的な思考を組み合わせるのが苦手だ。ところが問題文の最後にある「呪文」を付け加えると、見違えるように問題の正答率が上がる。その呪文はこうだ。「Let's thin
ウクライナの首都キーウ(キエフ)で、呼び出された番地に行くと背の高い雑居ビルがあった。迷彩服をまとった男たちが大型ワゴン車から大量のペットボトルの飲料水や缶詰を運び出している。ここでいいのだろうかとじろじろ見ていると、自動小銃を携えた男が聞き慣れない言語で怒鳴り付けてくる。自分のことを説明した。「マムカに会いに来たんだ。約束がある」 男は英語を解さないようだが、マムカという名前に反応した。駆け寄ってきた仲間と相談後、こっちに来いとビルの中に手招きされた。建物に近づくと、とても企業や商店が入居しているように見えない。ロビーには雑然と段ボールやごみ、小石が転がり、小銃を手にした男たちが遠慮のない視線を浴びせてくる。 ビルの奥に入ると、昼間なのに真っ暗だ。電気をつけていない。先導する男に従って、おそるおそる暗闇の階段を上った。たどり着いたフロアも暗い。目をこらすとベッドが並び、複数の男が腰かけて
「新しい能力に突然目覚める」のは物語の主人公だけではないようです。 Googleの研究部門(Google Research)とスタンフォード大学(Stanford University)などで行われた研究によって、会話型AIを成長させていくと、会話以外の新能力を訓練なしに突然、獲得することが示されました。 chatGPTのような会話型AIは本来、人間と会話するために作られましたが、ここ数年の研究によって、会話機能以外の意図しなかった能力が存在することがわかってきました。 研究者たちはこのようなAIの大規模化による新規能力獲得を「創発」と定義しており、小規模AIを積み上げるだけでは起こらない現象だと述べています。 ただ現在、どのくらいのAIの規模で、どんな新規能力が現れるかは、発見されるまで知ることができず、それぞれの能力値に上限が存在するのかさえ不明となっています。 もしかしたら将来的に、
アニマル・スタディーズ29の基本概念 平凡社 Amazon 第22章「権利」の著者は政治哲学者のウィル・キムリッカと哲学者のスー・ドナルドソン。『人と動物の政治共同体:「動物の権利」の政治理論』を執筆した夫婦であり、このブログでは二人の著書や論文も何度か取り上げてきたので期待を抱いていたのだが、今回の文章にはあまり感心しなかった。 人と動物の政治共同体-「動物の権利」の政治理論 作者:スー・ドナルドソン,ウィル・キムリッカ,Sue Donaldson,Will Kymlicka 尚学社 Amazon davitrice.hatenadiary.jp 本章の前半では、西洋における「権利革命」について述べられている。19世紀から20世紀の前半まで、リベラル・デモクラシーはベンサムやミルの唱えたような功利主義によって正当化されていた。また、労働者階級・女性・植民地化された国家に暮らす人々などが自
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