4年前の2019年に、人工知能研究者として私たちがすべきことというブログを書きました。そこで、人工知能の研究者は 正しく伝える 適切に怖がる 見たくないものを、見る という3つのことをしなければならない、と主張しました。 人工知能研究とは、知的とされる人間の活動を機械で模倣することによって、知能とは何かを明らかにしようとする学問です。「知的活動」の代表例として、ゲームをプレイする、数式を解く、専門家の思考過程を模倣する、画像を認識する、などの領域で研究がなされ、機械が人間のパフォーマンスを凌駕できることが次々と示されてきました。当分機械には出来ないだろうと思われていた自然言語を扱う分野でも、ChatGPTの登場によって、使い方によっては人間と拮抗する品質の知的作業を機械が行えることが示されました。このように人間の知能が機械によって相対化されていく先には何があるのでしょうか。 今まで意図的に