ブックマーク / cruel.hatenablog.com (124)

  • サンフランシスコの住宅市場 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    サンフランシスコの住宅市場に関して、こんな記事を見かけた。 www.vox.com どうせ君たち読まないだろうから、何が書いてあるのか教えてあげると、サンフランシスコはいま、Uberが立地したりアレとかこれとかがきたり、ブルーボトルコーヒーが出てきたりで、すごく活況を呈していて、人々が流入してきているのに、建築規制がやたらに多くて、新しい住宅がほとんど市内にできず、賃料などが高騰しているよ、というお話。記事はオークランドの話だけど、ベイエリアの他の地区も状況は似たようなものだ。 これはまさに指摘の通り。サンフランシスコを筆頭に、カリフォルニア州はこの点で悪名高くて、やれ高さ制限だ、やれ立て替え制限だ、やれ環境規制だ、やれ緑地保護だと規制ばかりがうるさくて、新しいものが全然建てられない。これは、かのヒッピー文化とアップルを生んだ自由な文化の発露であり高い環境意識と保全意識を持った高度な市民性

    サンフランシスコの住宅市場 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
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    maeda_a 2016/04/25
    「いまは、マンションが建ったら、そこの住民管理組合が必ず建設会社を訴えるんだよ。施工に瑕疵があったといって、お金を取ろうとする…もうどこの業者もマンションなんか建てなくなったんだ」
  • The Economist に出た、最近のチョムスキー - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    え、チョムスキーってこんなことになってんの、というのが面白かったので、例によって勝手に翻訳して紹介。ぼくはおもしろいと思うんだけれど、昔朝日新聞にチョムスキー書評をのせたら、finalventがなにやら山形はまるっきりわかっていないと言いたげな、でも何もはっきりと言わない役に立たない批判めいたものを書いたので、実はぼくはチョムスキーの言っていることを全然わかっておらず、したがって以下の文も実は「わかってる」ひとにはあまり面白くないorピント外れなものなのかもしれないので、その点はご注意を。 ノーム・チョムスキー:世界で最も高名な言語学者の理論はいささか奇妙なものになってきた。 The Economist, 2016 3/26-4/1号 p.77 www.economist.com 特定の人物と、これほど強く関連づけられている学問分野はほとんどない。物理学のアインシュタイン、心理学のフロ

    The Economist に出た、最近のチョムスキー - 山形浩生の「経済のトリセツ」
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    maeda_a 2016/04/08
    なんか誤植多いです「あることそ(を)」「公明(高名)」「人物尾(を)」「害ねんっ」
  • 増田のジェイコブズ翻訳に関する記述が修正された件 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    2月20日に上げたエントリーで指摘した、増田悦差によるぼくのジェイコブズ翻訳に対するまちがった因縁記事が、修正された。該当する部分は削除され、その旨のコメントも最後についている。 素早い対応、感謝します。 一応、放置しようと思いつつも、このままだとNTT出版も可哀想かも、と思って連絡窓口に指摘をしておいたんだけれど、三日ほどで対応してくれたことになる。 Having said that... こうして直されてしまうとおもしろくないので、言わないままにしておけばよかったかなー。 都市って自由放任ではできないのよ で、ついでだから中身についてもコメントしておく。増田の主張は、ジェイコブズは都市計画すべてを否定していた、自由放任の都市がすばらしい云々、というもの。 これがとっても浅はかで馬鹿な主張だというのは、都市というもの――特にここで問題にされているような大都市――を考えればすぐにわかる。

    増田のジェイコブズ翻訳に関する記述が修正された件 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
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    maeda_a 2016/02/26
  • 学校行ってもちゃんと勉強しないとダメよねー、というお話&日本の教育はゴミクズらしいぞ。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    Science 読んでたら、経済成長と教育の関係についての論文が出てたのでちょっと紹介。 Knowledge capital, growth, and the East Asian miracle Eric A. Hanushek, Ludger Woessmann, Science 22 Jan 2016: Vol. 351, Issue 6271, pp. 344-345 DOI: 10.1126/science.aad7796 http://science.sciencemag.org/content/351/6271/344.full 経済成長のためには国民に教育うけさせて人的資の質を上げないとダメだよねー、というのはもう言われすぎていてあたりまえの話になってるんだけど、でも一方で、同じ年数だけ学校に通ってるのに、東アジアは奇跡の大成長で、南米諸国はかなり出来が悪い。他のところで

    学校行ってもちゃんと勉強しないとダメよねー、というお話&日本の教育はゴミクズらしいぞ。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
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    maeda_a 2016/02/24
    「日本、全然ダメじゃん! ゴミクズじゃん!」
  • 増田悦差のジェイコブズ歪曲 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    (2/26付記:ここで問題にしている増田悦差のコラムは、その後エントリーを見て修正された。したがって、現在では以下のリンク先の内容はここでの記述に対応していない。元の記述については魚拓を参照。) 増田悦差という論者が、何やら都市計画について書いているなかで、ぼくのジェイコブズ訳にケチをつけている。 webmag.nttpub.co.jp (魚拓:http://www.webcitation.org/6fPqVGHsC) 具体的には、ジェイン・ジェイコブズ『アメリカ大都市の死と生』(鹿島出版会)のこの部分だ。 このうんざりするような泥沼は、有機体としての都市の要求と、各種の個別利用の供給との矛盾から生じるものではまったくありませんし、これ以外の都市計画上の泥沼も、そうした矛盾などから生じる例はほとんどありません。それがもっぱら生じるのは、都市の秩序と個別用途のニーズの双方と恣意的な矛盾を生

    増田悦差のジェイコブズ歪曲 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
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    maeda_a 2016/02/20
    「原文を見もせず、全然ちがうところの訳文をもとに、ぼくの訳をくさす。ちょっとなんとかしたほうがいいと思うぜ」…ちなみに悦差でなく悦佐.
  • 反知性主義3 Part 2: 内田編『日本の反知性主義』:白井総の文は、無内容名同義反復。他の文は主に形ばかりのおつきあい。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    はい、まだ反知性主義の話は続きます。第3部を前編と後編にわけるなんて、最近の無内容を引きのばそうとする『トワイライト』とか『ホビット』『ハリポタ』『ハンガーゲーム』みたいでいやなんだけどさ、お金とるわけじゃないし、どうせ読む側もあんまり長いのは飽きるでしょ?(といいつつ、今回もえらく長いんだけど) ブレイキング・ドーンPart2/トワイライト・サーガ [DVD] 発売日: 2013/10/25メディア: DVD これまでの話は以下の通り: 反知性主義1:ホフスタッター『アメリカの反知性主義』は、知識人のありかたを深く考えていてとってもいいよ 反知性主義2:森『反知性主義』は、アメリカに限ったまとめとしてはまあまあ 反知性主義3 Part1; 内田編『日の反知性主義』の編者による部分は変な思いこみと決めつけだらけ 白井の文は、グローバリズムとかポストフォーディズムとか聞きかじりだけで並べ

    反知性主義3 Part 2: 内田編『日本の反知性主義』:白井総の文は、無内容名同義反復。他の文は主に形ばかりのおつきあい。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
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    maeda_a 2015/11/26
  • 反知性主義2:森本『反知性主義』:ホフスタッターの当事者意識や切実さはないが概説書としてはOK - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    おちゃらけ (承前) まずは少しおちゃらけから。 前回の反知性主義話を書いた直後に、斉藤環が次のようなツイートをした。 あ〜また誤解する人が出てきたので注釈しときますとですね、僕が「反知性主義」と呼んでいるのは「バカ」の上品な言い換えとかじゃなくて、「地アタマだけは良い連中の実学志向&人文知軽視」のことですんで誤解なきよう。— 斎藤環 3.15発売「まんが やってみたくなるオープンダイアローグ 」 (医学書院) (@pentaxxx) August 21, 2015 さて、8月21日にこのツイートが出てきて、しかもその中で「僕が「反知性主義」と呼んでいるのは「バカ」の上品な言い換えとかじゃなく」と述べているのは、おそらくぼくの前回 (8月20日)の記述を意識したものだと思う。そうであるにせよないにせよ、ぼくはこういう参照先を明記しないでほのめかしで済ませるやり方は、とても低級な知的堕落だと

    反知性主義2:森本『反知性主義』:ホフスタッターの当事者意識や切実さはないが概説書としてはOK - 山形浩生の「経済のトリセツ」
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    maeda_a 2015/08/24
  • 反知性主義1: ホフスタッター『アメリカの反知性主義』 知識人とは何かを切実に考えた名著 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    はじめに 反知性主義をめぐるを3冊読んだので、その話をちょっと書こう。なぜそんなものを読もうと思ったかというと、『現代思想』の「反知性主義特集」に対するアマゾンのレビューがぼくのツイッターでちょっと話題になっていたからだ。 「彼らは反知性主義だ」と規定する知性は知性主義的なのか? ぼくはこの特集を読んでいないし、読むつもりもない。が、このレビューの主張はよくわかると同時に、この特集のスタンスについて疑問が湧いてきた。 というのも、このレビューを信じるなら、この特集での「反知性主義」というのは、「自分とちがう考え」のことらしく(たとえば原発推進とか安部政権評価とか)、そしてそれを「反知性主義」と呼ぶのは、要するに「バーカ」というのをご立派に言い換えているだけらしいからだ。 さて、まずぼくはこの手の言い換えが嫌いだ。ぼくはしばしば、バカをバカとはっきり言うので、性格が悪いとか下品とか言われる

    反知性主義1: ホフスタッター『アメリカの反知性主義』 知識人とは何かを切実に考えた名著 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
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    maeda_a 2015/08/20
    「本書には切実さがある。他人事として反知性主義をけなしたりするのではなく、それを自分としてどう受け止めるか、そして知識人の役割の中でそれをどう止揚すべきかという当事者としての厳しさがある」
  • ケインズ「孫たちの経済的可能性」 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    ついでにちょっとやった「孫たちの経済的可能性」。あちこちに納められているけどネット上であってもいいと思ったので。 ケインズ「孫たちの経済的可能性」(pdf 75kb) https://genpaku.org/keynes/misc/keynesfuture.pdf 内容は有名といえば有名だが「ケインズは百年後には一日3時間労働になると言った」というふうな紹介のされかたしかしないのは、ちょっとかわいそう。もっと気楽な放言(そしてそれゆえになかなかおもしろい洞察がある)ですよ。 まとめると—— いま(第一次大戦後で大恐慌時代)は経済的にはひどい状況にある。でも長期的に見れば、経済は17世紀末から急激な成長をとげてきた。これは、急激な技術革新と、資産/資の蓄積があったから可能になった。イギリスの資は3.25パーセント成長を続けている。これがもっと続けば、経済はまちがいなくずっと豊かになる。す

    ケインズ「孫たちの経済的可能性」 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
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    maeda_a 2015/08/17
    ケインズ「孫たちの経済的可能性」
  • マンデヴィル『蜂の寓話』:ケインズがいかにイヤミなやつかよくわかる。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    蜂の寓話―私悪すなわち公益 (叢書・ウニベルシタス) 作者: バーナード・マンデヴィル,泉谷治出版社/メーカー: 法政大学出版局発売日: 1985/06メディア: 単行 クリック: 3回この商品を含むブログ (2件) を見る マンデヴィル『蜂の寓話』というのは、知っている人の半分はケインズ『一般理論』23章で言及されているから知っているんだと思う。 そこでケインズは、この詩と説明が有効需要創造の重要性を訴えたものであり、バカみたいな倹約とか節制とかをよしとする当時の社会通念からはずばぬけた慧眼であり、それ故にひどく攻撃されたんだと語る。 寓話に続くコメントからの抜粋2を見ると上の詩には理論的な根拠がなかったわけではないことがわかります。 この堅実なる経済、一部の人が貯蓄と呼ぶものは、民間の世帯においては資産を増やす最も確実な手段であり、したがって一部の者は国が痩せ衰えるのも豊かになるの

    マンデヴィル『蜂の寓話』:ケインズがいかにイヤミなやつかよくわかる。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
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    maeda_a 2015/08/14
  • ケインズ『平和の経済的帰結』翻訳終わったぜ。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    はい、先月末にはじめたケインズ「平和の経済的帰結」、終わったぜ。乞ども、持ってきやがれ。 ケインズ「平和の経済的帰結」(pdf 1.2 Mb, 商業的に出そうなので公開停止) そのときに述べた通り、題名のPeaceは、講和条約のことではあるんだけれど、文中でケインズが、ドイツに対する「戦争による被害と平和による被害」という具合に、戦争と平和を対比させて書いている部分がいくつかあって、それを考えると平和のほうがいいかな、と。 基的に主張は簡単。 ドイツにすっげえ賠償金を払えって言うけどさ、無理じゃん。 まず、賠償金のうち、即座に50億ドル支払うことになってる → 即座の支払に使える現金とか資源とか、あんたら全部接収してかすめ取ったじゃん。払えないよ。 そして今後ドイツは経済活動を通じて儲けて払えといってる → あんたら炭鉱も奪い、船も奪い、工場も接収し、経済活動するために必要なものを全部

    ケインズ『平和の経済的帰結』翻訳終わったぜ。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
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    maeda_a 2015/08/14
  • ケインズ「講和条約の経済的帰結」:ドイツよ、これを読み直そうぜ。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    もはや泥沼というしかないユーロ情勢。えらそうなこと言ってるドイツだって、借金まともに返してないじゃないか、というピケティの突っ込みがあったけれど、それはまともな歴史感覚と、適切な金貸しとしてのバランス感覚がある人ならみんな思ったこと。が、いまのヨーロッパには、それがどうもまったく期待できないみたい。 まさに似たような話として、第一次大戦後にドイツから無理矢理借金(ではなく賠償金だけど同じ事)を取りたてるのがいかにアホなことか、そしてヨーロッパは一連託生なんだから、それが第一次大戦の戦勝国にとっても絶対にいいことにはならないよ、自殺行為だよ、というのを主張し、通らなかったために席を蹴ったケインズの著作がある。ぼくもそういう背景情報は知っていたけど実際には読んだことがなくて、今回ちょっと逃避のために読み始めた。 おもしろいわー。日語訳は、バカ高くて数十年かけて未だに未完ですでに続々絶版になっ

    ケインズ「講和条約の経済的帰結」:ドイツよ、これを読み直そうぜ。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
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    maeda_a 2015/07/27
  • EC『ユーロ/EMUの完成に向けて』:EU 上層部ってなんかクスリでもやってるのか? - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    2015年6月22日。ギリシャはデフォルト寸前。2010年、2012年に続いてまたもや(いやこれまで以上の)大規模な救済は何らかの形で不可欠で、あとはそれがどういう形で起こるかというだけの話(ドイツ政府はそれすら理解していない様子だが)。これまでトロイカに言われるままに改革と緊縮を進めてきたけれど、それは何一つ成果を挙げず、GDPは下がり、失業は増える一方。それでもさらに改革と緊縮やれ、とトロイカは言うけど、その改革で何が実現されるのかだれも知らない——いや、これまで以上に何も実現されないだろうというのをみんな知っている、というのが正しいところ。 この危機の原因については各種論争がある。でも: ユーロの構造がその原因の(少なくとも)一つであること 原因かどうかにかかわらず、現在のユーロの仕組みも制度もこの問題を解決できていないこと 話はギリシャだけではないので、場当たり的な対応やXX人が怠

    EC『ユーロ/EMUの完成に向けて』:EU 上層部ってなんかクスリでもやってるのか? - 山形浩生の「経済のトリセツ」
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    maeda_a 2015/07/12
    「いまのこの状態でこんな「ロードマップ」をまじめに発表できるということ自体、EU首脳部が現状のヤバさを全然わかってないんじゃないかという危惧を抱かせるに十分だ」
  • Boole et al. Leaving the euro: A practical guide: 何とユーロ離脱マニュアル! - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    はじめに ギリシャを見ているうちに、中国の株式市場暴落があれよあれよという間にでかい話になってしまったけれど、でもギリシャも相変わらず負けてはいない。IMFに対して堂々のデフォルト、国民投票で正面切っての反抗、窮鼠を噛むじゃないけど、もうやけくそというか開き直りというか、実におもしろい。 デフォルトしてどうすんのよってことで、7月9日にはギリシャ政府はトロイカに対してちょっと譲歩した改革案を出しては見たけれど、それで合意できるんなら先月のうちに合意できただろう、とはみんな思ってると思う。時間稼ぎ以上のものではないと思うな。 そしてもし合意に達したとしても、それによってギリシャの状況がグンと改善して景気が上向き、借金をしゃきしゃき返せると思ってる人はだれもいない。2010年にも2012年にも、それやったもんね。それでいまのていたらく。緊縮で(それもギリシャがやってる超緊縮で)景気が回復する

    Boole et al. Leaving the euro: A practical guide: 何とユーロ離脱マニュアル! - 山形浩生の「経済のトリセツ」
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    maeda_a 2015/07/11
    3年前に綿密に検討されていたユーロ離脱マニュアル。ぎりぎりまで秘密に進めよという、その内容に沿ってすでにギリシャは準備を進めているのかも。 「ギリシャは早晩、ユーロ離脱するだろう、それしかない...
  • エンゲルス「イギリスの労働階級」終わった! - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    ちょっと気が向いて、若き日のエンゲルスのルポを訳しはじめたのが1年ほど前だったけど、ぼちぼちやってるうちに終わりました。 エンゲルス自身が若書きだと言っているので、若々しくしてみた。産業革命の成果にものすごく興奮しつつ、一方で労働者のひどい状況を実地に見て当に怒っているのがよくわかる、たいへんにおもしろい文章。エンゲルスは理論家としてはアレながらイデオローグとして優秀だったらしいけれど、ルポライターとしてもお見事、というのは訳し終わってもやはり思うね。 イギリスにおける労働階級の状態 (pdf 682kb) e-pub版はこちらできちんとしたものを作ってくれました〜 densabi.hatenablog.com 産業革命の成果に対する興奮は伝わってくるし、また当時のスラムの惨状は匂ってくるような迫真の描写。すごい。これを読んで「いまの日も同じだ、労働者は虐げられている!」といった感想を

    エンゲルス「イギリスの労働階級」終わった! - 山形浩生の「経済のトリセツ」
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    maeda_a 2015/06/17
    「そういう職人さんが機械化で職にあぶれたのはかわいそうで非人間的と思う一方で、そんなくだらない(失礼。でもくだらないと思う)仕事をやらねばならない人間がいること自体の非人間性のほうが、いまのぼくに…」
  • 田嶋『高学歴貧困女子が読み解くピケティ』:意外や意外、ベスト級の解説書。色物に非ず! - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    学歴貧困女子が読み解くピケティ (SAKURA・MOOK 2) 出版社/メーカー: 笠倉出版社発売日: 2015/05/08メディア: ムックこの商品を含むブログ (2件) を見る 見た瞬間、まあろくでもない色物だと思うのは人情でしょう。高学歴貧困女子がこんな問題抱えているというのを、おちゃらけマンガをからめつつ、ピケティをいい加減につまみいしつつ書いて、『21世紀の資』とは何の関係もない代物になってるんだろうと思うじゃない? ついでに、この田嶋智太郎という著者監修者、アマゾンで見るとこれまでのは、見るからにお馬鹿のインチキ臭漂う、FXで儲ける方法とかのお手軽投機ばっか。書がまともなものになっているとは、とうてい思えませんがな。 その見方を裏付けるのが、なんだかいきなりついているアマゾンの読者レビュー。他の解説書は『21世紀の資』に縛られているが、これはそうじゃないって言われ

    田嶋『高学歴貧困女子が読み解くピケティ』:意外や意外、ベスト級の解説書。色物に非ず! - 山形浩生の「経済のトリセツ」
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    maeda_a 2015/05/20
  • 「普通」ってこわいわ〜〜 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    (Photo by Ken, CC BY-NC 2.0) さっき会社で向かいにすわっている子が電話で報告書の印刷を発注しようとしていたんだが「えー、仕上がりといわれましても、まあ普通で〜〜」「色も別に特にないので普通な感じで〜〜」「紙とかもわからないけど、なんかだいたい普通に〜〜」と言っていて、うーん、印刷屋さんもかわいそうに〜〜。 そういえばしばらく前に床屋にいたら、「どういうふうにしますか」と言われたおっさんが「うーん、まあ全体に普通にやっていただければ〜」と言っていて、それでも床屋さんはさっさと切り始めたので、大したもんだなあ、と感心したのを思い出した。「普通」ってすごいわー。 「普通で〜」で思い出した別の話。 昔、夜遅くに大森の定屋にいたら、チャーハンってたおっさんが「ほうれん草あるか」と店の人に尋ねていた。で、店の人が「おひたしですか、炒めますか」と言ったら「いや、生で」と言

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    maeda_a 2015/05/13
    かまぼこっておトトなのかしら〜
  • 『ニュースウィーク』:当事者意識のない無惨な特集。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    Newsweek (ニューズウィーク日版) 2015年 2/24号 [ピケティ狂騒曲] 出版社/メーカー: CCCメディアハウス発売日: 2015/02/17メディア: 雑誌この商品を含むブログ (1件) を見る ニュースウィークがピケティ特集。ぼくも寄稿している。各国の翻訳者に、それぞれの国でなぜピケティが流行ったかをきく、という企画だときいていたけど、実際には英訳者と朝鮮語訳者と日語訳者しか原稿を書かなかった模様。これは残念。ま、原稿料二万円なら仕方ないか。 でも何より残念なのは、この特集にうかがえる当事者意識のなさ。「ピケティ狂騒曲:ブームの賞味期限」と題して、あのが「格差是正に向けた議論を深めるか、それとも軽薄なブームで終わるか」と表紙にある。 しかしですねえ。それが軽薄なブームで終わるかどうかは、あんたらみたいな雑誌やメディアがそれをどう扱うか次第、でもあるでしょう。「格差

    『ニュースウィーク』:当事者意識のない無惨な特集。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
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    maeda_a 2015/02/19
    タコ殴りとはこのことであろうか.
  • ピケティにからんで日本の格差について - 山形浩生 の「経済のトリセツ」

    21世紀の資 作者: トマ・ピケティ,山形浩生,守岡桜,森正史出版社/メーカー: みすず書房発売日: 2014/12/09メディア: 単行この商品を含むブログ (107件) を見る ピケティがらみの話で、そろそろデータを見た人が反論を始めている。そして、日の状況はちがう、日はまれに見る平等社会、日は格差が開いていないどころかかえって狭まっている、よってピケティなんかダメ、という議論をしている。 さて、ピケティを盲信して格差、格差、この世の終わりだ資主義の宿痾だ革命だマルクス様の復活だついでにアベノミクス許さんとさわぐのはたいへん愚かで恥ずかしいことなので、やめていただきたいところ。金持ち儲かるんだろ、知ってたぜ、常識だフン、どうせオレたち貧乏人はいくら頑張ってもダメなのよ、ついでにアベノミクス許さん、とかいった間抜けな発言は、ツイッターくらいにとどめておいてほしい。 その意味

    ピケティにからんで日本の格差について - 山形浩生 の「経済のトリセツ」
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    maeda_a 2015/02/13
  • ダイヤモンドのピケティ特集:周辺の反応に力点。いちばんの見所は奥谷禮子の支離滅裂な極悪ぶり。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    週刊ダイヤモンド 2015年 2/14号 「雑誌] 出版社/メーカー: ダイヤモンド社発売日: 2015/02/09メディア: 雑誌この商品を含むブログ (4件) を見る 週刊ダイヤモンドもピケティ特集。そろそろ、ピケティそのものの解説はみんな傷気味だろうから、その周辺の話題に話を広げている。 1番の目玉は、ピケティX池上彰対談でしょうね。夢の対談というけど、もっといい夢みたいなあ。例のピケティ東大講演の後でやったみたいだ。それで池上彰がいたのか。あのまま別室で対談したのかな。 内容はいつもながら。正直いって、ピケティの各種インタビューはどれを読んでも、あらゆる人がまったく同じ質問をしていて、答えもまったく同じ。つまらないことおびただしい。多少つっこんでおもしろい話をしているのが、ピケティと吉川洋の対談だけ。あまりにひどいんじゃないの、と思う。 でも今回のやつでは、文学っぽい関心の話が

    ダイヤモンドのピケティ特集:周辺の反応に力点。いちばんの見所は奥谷禮子の支離滅裂な極悪ぶり。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
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    maeda_a 2015/02/10