私は経済学者として国内外の大学で教鞭をとったりした後、’13~’18年には日本銀行副総裁として金融政策の立案にも携わりました。そこで、感じたのは「経済を知れば、生活はもっと豊かになる」ということ。そのお手伝いができればと思い、『週刊SPA!』で経済のカラクリをわかりやすく発信していきたいと考えました。 実質賃金とは、給与(賞与含む)から物価変動の影響を差し引いた「一人当たりの実質賃金」を指し、厚生労働省の毎月勤労統計調査」(以下、毎勤)の「実質賃金」を用いるのが一般的です。 その値は1996年をピークに、ほぼ一貫して下がり続け、’21年は1990年比で10%も低い水準にあります。そのため、メディアは「アベノミクスは失敗だった」と繰り返し報じてきました。 しかし、この実質賃金は必ずしも正確に雇用情勢を反映しているとは言えません。正規社員と非正規社員を一緒くたにしているためです。 アベノミクス
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