政府の旅行需要喚起策「Go Toトラベル」事業によって、新型コロナウイルスの感染者は増えたのだろうか。 厚生労働省によると、1日当たりの感染者数は、7月に入ってから100~300人台で推移していたが、政府がGo Toを前倒しで始めると発表した7月10日に400人を突破。流行の「第2波」到来を予感させた。さらに、Go Toが始まった同22日には800人に迫る勢いとなり、8月7日には過去最多の1595人にまで増えた。ただ、感染の再拡大について、政府の新型コロナ感染症対策分科会は21日、「ピークに達した」と評価。お盆期間前後からは落ち着いているようにも見える。 観光庁によると、Go To対象施設で感染者の宿泊があったケースは今月20日時点で10件。施設内での感染は確…
発掘された「梅田墓」。墓の南端石垣の奥に、遺体を葬った丸い跡がいくつも並ぶ。発掘調査地はさらに奥に延びていたが、調査を終えて埋め戻されている=大阪市北区で2020年8月12日、矢追健介撮影 江戸~明治時代に、現在のJR大阪駅北側再開発区域「うめきた」(大阪市北区)にあった「梅田墓(はか)」について、大阪市教委と市文化財協会は13日、発掘調査で1500体以上の埋葬人骨が出土したと発表した。市内でこれほど多くの埋葬跡が一度に見つかるのは初めてで、全国的にも珍しいとしている。庶民階級の墓とみられ、今後は骨を調べたりして葬送文化や生活環境などを詳しく分析する。 梅田墓は、江戸時代初期に天満周辺にあった墓を現・大阪駅の南側付近に集めたのが始まりで、その後現在のうめきた南西部に再移転したとされる。大阪に7カ所あった「大坂七墓」の一つで、近松門左衛門の浄瑠璃「曽根崎心中」や「心中天網島(しんじゅうてんの
「Black Lives Matter」の抗議デモで人種間の公平を求める人々=米ニューヨーク州で7月13日、AP 米国での白人警官による黒人男性暴行死事件をきっかけに、黒人差別への抗議デモ「Black Lives Matter(ブラック・ライブズ・マター)」が日本でも広がっている。ただ、このスローガンの翻訳は助詞一つで微妙なニュアンスの違いが生まれ、事件から25日で2カ月が過ぎた今も定まっていない。さまざまな日本語訳を通じ、この言葉の持つ意味を考えた。 <「黒人の命は大切」「黒人の命も重要」「黒人の命こそ大事」…日本語では「は」「も」「が」等を選べることが話をややこしくしていますね。どれも正しく、どれも物足りない> 現代米国文学翻訳の第一人者、柴田元幸さん(66)は6月、ツイッター上で「どう訳しますか」と問われ、こう投稿した。柴田さんは取材に対し「『黒人の命も』とした場合、白人の命がまず大
ツイッターに写真を無断でツイートされた北海道の写真家の男性が、そのリツイートも著作者の権利の侵害に当たるとして、リツイートしたユーザーを特定するため発信者情報を開示するよう求めた訴訟の上告審判決で、最高裁第3小法廷(戸倉三郎裁判長)は21日、ツイッター社側の上告を棄却した。ユーザーのメールアドレス…
廃線となったJR信越線横川―軽井沢(長野県)間で活躍した電気機関車EF63(通称・ロクサン)の運転シミュレーターが改修され、映像がよりリアルになって復活した。本物の運転席での操作は、当時の機関士の気分が味わえる。設置されている碓氷峠鉄道文化むら(安中市松井田町横川)が新型コロナウイルスの感染拡大で臨時休園となり、運用開始が当初予定の4月から6月1日に変更となっていた。【増田勝彦】 横川―軽井沢間は最大66・7パーミル(1000メートルで66・7メートルの高低差)の急勾配で、ここを通るすべての列車は同区間専用のEF63が増結された。軽井沢へ向かう上り勾配では最後部から押し上げ、横川への下り勾配は最前部でブレーキを利かせてスピードを抑えていた。1997年10月の長野新幹線(現北陸新幹線)開通とともに同区間が廃止され、EF63もその役割を終えた。
小池百合子・東京都知事の半生を描いた評伝「女帝 小池百合子」が大きな話題を呼んでいる。出版元の文芸春秋によると、5月29日の発売から約2週間で既に15万部を突破し、ノンフィクション作品としては記録的な売り上げとなる勢いだ。ツイッター上でも「都民だけでなく有権者として読んでおくべきだ」などといった感想が寄せられており、都知事選(6月18日告示、7月5日投開票)での都民の投票行動にも少なからぬ影響を与える可能性がある。【古川宗/統合デジタル取材センター】 3年半かけて100人以上に取材 同書は、女優・原節子の評伝で「新潮ドキュメント賞」を受賞した実績などを持つノンフィクション作家の石井妙子さんが執筆した。3年半かけて関係者100人以上に取材したといい、小池氏の幼少期から現在までを描いた400ページを超える大著だ。小池氏のエジプト・カイロ大への留学や、政治家となってからの言動など数多くのエピソー
衆院内閣委員会で検察庁法改正案の審議中にタブレット端末でワニの動画を見る平井卓也・前科学技術担当相=2020年5月13日午前9時9分 検察官の定年延長を可能にする検察庁法改正案をめぐる13日の衆院内閣委員会で、委員の平井卓也・前科学技術担当相(自民)が、野党議員と担当大臣の質疑中に自身で持ち込んだタブレット端末で動物の動画を約5分見た。衆院事務局は質疑と無関係の動画を見る行為は「好ましくはない」としている。 委員会は午前9時から始まり、平井氏は同9分から約5分間、巨大なワニが歩いたり、大蛇にかみつかれたりする動画を見た。音声は出ていなかった。 閲覧したのは今井雅人氏(無所属)と武田良太行政改革担当相が激しく質疑を交わしていた最中で、平井氏はその後、目をつむった状態の姿勢を長く続け、委員会が続いていた午前10時20分に途中退室した。
未解明だった数学の超難問「ABC予想」を証明したとする望月新一・京都大数理解析研究所教授(51)の論文が、同所が編集する数学専門誌に掲載されることが決まった。3日、京大が発表した。ABC予想は、素因数分解と足し算・かけ算との関係性を示す命題のこと。4編計646ページからなる論文は、斬新さと難解さから査読(論文の内容チェック)に8年かかったが、その正しさが認められることになった。有名な数学の難問「フェルマーの最終定理」(1995年解決)や「ポアンカレ予想」(2006年解決)の証明などと並ぶ快挙となる。【阿部周一、松本光樹】 望月教授は2012年8月、構想から10年以上かけた「宇宙際タイヒミューラー(IUT)理論」の論文4編を、インターネット上で公開した。これを用いればABC予想など複数の難問が証明できると主張し、大きな注目を集めたが、既存の数学が存立する枠組み(宇宙)を複数考えるという構想は
大阪メトロは22日、谷町線で乗務中の男性車掌(46)が業務用タブレット端末で業務と関係のない「KGB(旧ソ連国家保安委員会)」についてインターネット検索していたと発表した。運行に支障はなかった。同社は車掌を乗務から外し、処分を検討する。 同社によると21日午後6時55分ごろ、車掌が検索しているとこ… この記事は有料記事です。 残り136文字(全文286文字)
トランプ米大統領による東京オリンピック・パラリンピックの「1年延期」提案に対し、日本政府は13日、予定通りの開催を目指す方針を強調した。安倍晋三首相は13日、トランプ氏と電話で協議し「開催に向けて努力している。新型コロナウイルスとの闘いに勝って東京五輪を成功させたい」と伝えた。延期や中止となれば、五輪特需を見込む日本経済に打撃となるだけでなく、首相の政治責任に波及する懸念もある。関係者にも動揺が広がり、政府は「延期・中止論」の打ち消しに躍起になっている。【秋山信一、宮原健太】 電話協議では、首相が五輪を予定通り開催する準備を進める考えを伝えたのに対し、トランプ氏は「日本の透明性のある努力を評価する」と応じた。同席した岡田直樹官房副長官は、トランプ氏から五輪延期や無観客での開催についての言及はなかったと説明。首相はその後、2024年パリ五輪を控えるフランスのマクロン大統領とも電話で協議した。
新型コロナウイルスの感染状況などについて語る賀来満夫・東北医科薬科大特任教授=仙台市宮城野区の同大福室キャンパスで2020年3月4日午後3時11分、滝沢一誠撮影 新型コロナウイルスの感染が拡大し、宮城県内でも2月末に感染者が確認され、今後は市中感染も懸念される。感染の現況や政府の対応への評価、今後の見通しについて、日本環境感染学会前理事長で感染症対策の第一人者でもある賀来満夫・東北医科薬科大特任教授(東北大名誉教授)に話を聞いた(インタビューは4日に実施。情報は同日現在)。【聞き手・滝沢一誠】 ――新型コロナウイルスについて、現在分かっていることは何か。
クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」に掲げられた布。メッセージが書かれていた=横浜市鶴見区の大黒ふ頭で2020年2月10日午後4時24分、池田直撮影 横浜港に停泊中のクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」で新型コロナウイルスの感染者が急増する中、政府がクルーズ船の感染者を「日本上陸前だ」として日本の感染者数に含めないよう報道機関への周知に躍起となっている。クルーズ船分と国内分の合計は約160人で、中国以外では突出して多い。世界で日本での感染拡大のイメージが広まり、観光や経済に打撃が出かねないと警戒している。 10日午後7時現在、クルーズ船の感染者数は135人で、国内の感染者26人と合わせた161人は中国以外で最多。厚生労働省によると、日本がクルーズ船分と国内分を分けるよう世界保健機関(WHO)に提案した結果、WHOは6日の各国発生状況リポートから、クルーズ船分を日本でなく「その他」に分類
フィギュアスケート男子シングルで、ソチ冬季五輪5位、2014年世界選手権銀メダリストの町田樹(たつき)さん(29)。同年末に競技から退いた後も、プロスケーターとして、バレエ作品などから着想を得た芸術的なプログラムで人気を博した。今回、プロからの引退を記念し、集大成として「決定版作品集 そこに音楽がある限り―フィギュアスケーター・町田樹の軌跡―」(新書館、1万2000円+税、公式サイト)を刊行。作品集や引退後の活動について話を聞いた。フィギュアスケートはテレビや雑誌、アイスショーなどで人気のコンテンツだが、町田さんは、スケーターがタレントのように扱われ、消費されるさまに異を唱える。「本来はアスリートであり、アーティスト。裏側には、マスメディアに報道されない軌跡がある。リアルな実像を知ってほしくて、スケーター町田樹の軌跡を本書に収めた」と話す。【聞き手・高橋咲子】 制作者集団 「芸術面でサポー
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