――いま問題になっている「新天地」とは、どういう団体なのでしょうか? 1984年に李萬煕(イ・マンヒ)氏によって始められたキリスト教系の新興宗教です。韓国のキリスト教系の団体の中でも、“異端”という意味では、いまや「統一教会」に替わって代表格と目されている存在です。規模については、今回の新型コロナウイルス対策のために、韓国政府に約21万人分の信者名簿を提出したと報じられています。 「新興」とはいっても、その教義はむしろ韓国キリスト教系の新興宗教では「伝統的」なものです。一言でいえば、「この世は悪に満ちていて、正しい信仰を持っている私たちだけが生き残ることができる」という考え方です。 他教会の信者をスパイ的に抱き込む「秘密の布教」 ――韓国社会のなかでは、どのような存在だったのですか? 今回のコロナ問題が明るみに出るまで、彼らは非常に見えづらい存在でした。なぜかといえば、彼らが「秘密主義」だ