「播磨はものづくりの強い地域。技術者が外に流出せず、じっくり仕事をする人が多い。一方、神戸はインディペンデント(自立)。肩書よりも人間の立派な人を評価する風土。気に入ってましたね」。13日亡くなったウシオ電機創業者、牛尾治朗さんは故郷の姫路や神戸を終生大切にしていた。 同社はハロゲンランプや放電ランプといった製品に始まり、ユニットや応用装置へ幅を広げてきた。売上高の8割が海外だが、光関連は兵庫県姫路市の播磨事業所が軸で研究所も置いている。 姫路では3代の「牛尾」は有名だ。祖父梅吉氏は米相場で巨利を得て当時の姫路銀行、姫路水力電気の経営権を取得。父健治氏も山陽配電を築いた。いずれも姫路商工会議所会頭を務めた。自身は「祖父や父の影響は非常に強い。今も手本にしている」と話した。 政財界で幅広い人脈を築けたのは何より人好きなゆえだろう。土光敏夫氏、瀬島龍三氏、中山素平氏…。率直な物言いで各界の大物
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