徳島県をはじめとする四国一帯には、数多くのタヌキの伝説があります。 阿波の狸まつりの紹介にちなんで、四国の狸伝説をここにまとめておきたいと思います。 阿波狸合戦(金長狸合戦) 江戸時代末期、日開野(後の小松島市日開野町)の村の子供たちが枯葉を燃やして穴の中にいるタヌキをいぶり出して虐めていると、大和屋という染物屋を営む茂右衛門(もえもん)という男が通りかかり、哀れに思ってそのタヌキを助けてやった。すると間もなく、大和屋は大いに繁盛したという。 やがて大和屋に務める万吉という者にタヌキが憑き、その素性を語り始めた。そのタヌキは「金長(きんちょう)」といい、206歳になる付近の頭株であるという。万吉に憑いた金長は、店を訪れる人々の病気を治したり易を見たりと大活躍し、大評判となった。 その後、まだタヌキとしての位を持たない金長は、津田(後の名東郡斎津村津田浦)にいるタヌキの総大将「六右衛門(ろく