実験線を走るリニア新幹線の試験車両=2009年4月、山梨県都留市 東京―大阪間を67分で結ぶ構想のリニア中央新幹線を、法律に基づく新幹線計画として認めるかどうかを決める議論が3日、国土交通省の審議会で始まった。JR東海は自己資金での建設を表明するが、採算を疑問視する声もくすぶる。駅やルートをめぐる地元との調整も難航しそうだ。 ■採算に疑問、慎重論も 「日本の交通史の新たな1ページになる」。3日の交通政策審議会・鉄道部会で、国交省の三日月大造政務官は強調した。 審議会はJR東海からの聞き取りや試算の検証を行い、整備計画への格上げの是非を答申する。JR東海は「早く結論を」と求めるが、委員からは「東海道新幹線があるのに、必要なのか」「負の遺産を抱えるわけにはいかない」など慎重な意見が相次いだ。国交省政務三役の一人は「2、3年はかかる」とみる。 1964年開業の東海道新幹線はダイヤ