【ジュネーブ=平本秀樹】欧州合同原子核研究機関(CERN、本部ジュネーブ)は30日、巨大粒子加速器(LHC)で、7兆電子ボルトで陽子を衝突させる実験を初めて成功させたと発表した。 CERNによると、米フェルミ国立加速器研究所が2001年に記録した約2兆電子ボルトを上回り、過去最高となる。 衝突で宇宙の始まりの時期に似た高エネルギー状態を作り出せるため、実験を続けると、素粒子に質量を与える「ヒッグス粒子」など未知の粒子の発見につながるのではないかと、世界で期待されている。 LHCは、スイスとフランスとの国境を越えて建設された1周27キロ・メートルの円形の地下トンネル内で、光速近くに加速した陽子同士を衝突させる装置。今回は加速エネルギーが3・5兆電子ボルトの陽子同士を正面衝突させた。