携帯電話やデジタルカメラのメモリーバックアップ用電源などに使われるキャパシタ(蓄電装置)の性能を、カーボンナノチューブを使って大幅に向上させることに東京農工大学の直井勝彦教授らが成功した。 これまでの製品に比べて体積あたり4・5倍の電気を蓄え、3・8倍の速さで放出する。電気自動車の電源や、出力が不安定な自然エネルギーの貯蔵などにも、利用が広がると期待される。 これまでのキャパシタは、電極に活性炭などを利用していたが、直井教授らは大容量の電気を蓄えることのできるチタン酸リチウムに着目。チタン酸リチウムは、結晶が大きいと充電・放電に時間がかかるのが難点だったが、カーボンナノチューブを15〜20%混ぜることで、10万分の1ミリ・メートル以下の極微の結晶にすることに成功した。この複合材料を負極に使うことで、キャパシタの性能が大幅に向上した。 直井教授は「キャパシタは、すばやく充電・放電できるのが長