【ベルリン中西啓介】9月の連邦議会(下院)総選挙で国政に初進出した右派政党「ドイツのための選択肢」(AfD)は2日、独北部ハノーバーで開いた党大会で、党内右派トップで実質的指導者として党を率いてきたガウラント副党首を共同党首に選出した。人種差別的、排外主義的な極右発言をも容認するガウラント氏が名実共に党を掌握した形で、国政の舞台でも差別的言動が日常化する懸念が生じている。 AfDは欧州連合(EU)によるギリシャ財政支援に反対する経済学者らが創設した経緯から、党内には反EU経済政策派と極右からも支持を受ける保守派がある。これまで両派から共同党首が選出されてきた。だが、保守派選出の党首だったペトリ連邦議会議員が、地方議員によるナチ擁護発言などを問題視し、総選挙直後に離党したことで空席になっていた。