社運を賭けることへの懸念も その一方で、IBMがあまりにも強くワトソン事業にコミットしていることには懸念の声も聞かれる。 たとえば最近も有名な米コンサルティング会社を買収し、彼らが蓄えた金融規制に関する膨大なデータをワトソンに読み込ませて、その分野のエキスパートに仕立てようとしている。が、このような企業買収を繰り返せば、相当のコストがかさむ。 また、そうした巨額の資金だけでなく、IBMはワトソン事業に推定1万人もの社員を投入している。つまり総合的に見て、IBMはワトソンを次世代の基幹ビジネスと位置づけ、これに社運をかけているのだ。 これに対しては、実は当初から賛否両論が聞かれ、今に至るまで評価は定まっていない。 繰り返しになるが、昨今の加熱気味のAIブームとは裏腹に、この分野で真に技術革新があったのは「パターン認識」など一部領域に限定されており、それが今後「自然言語処理」など、より高次の知