\(\mathbb{R}^n\)において,有界無限点列は収束する部分列を持つ. ボルツァーノ・ワイエルシュトラスの定理です. 大学1年生もしくは2年生で理系の人間は微積分を学ぶと思います.そして,その中で最初の方に出てくるけどその重要性が全然わからない定理. ぼくにとってはそんな思い出のある定理です. 最初こんなものを見せられてもぴんと来ないのが普通だと思います.ぼくも初めてこの定理を見たときには何を言っているのかピンときませんでしたし,何がうれしいのかもよくわかりませんでした. しかし,数学科で2年生に習った位相空間論を踏まえるとこの定理の重要性がようやく理解できました. この定理の重要性は,ユークリッド空間におけるコンパクト集合の特殊性にあります. 証明は省略しますが,次のような事実が知られています. 距離空間において次の3条件は同値である. 1) コンパクトである. 2) 点列コンパ