「何と申しましても、フジテレビの不振は明らか。喫緊の課題である視聴率向上を図るため、経営体制を変更する」。日枝久会長は淡々と語った。 5月11日、フジ・メディア・ホールディングス(HD)は6月の株主総会をもってフジテレビジョン(以下フジ)の亀山千広社長が退任すると発表。HDの日枝会長は取締役相談役となり、フジの会長職も退くことになった。今後、フジとHDの社長には現在BSフジ社長の宮内正喜氏が就任。HD社長の嘉納修治氏はHD会長とフジ会長を兼務し、新社長をサポートする。 実現されなかったビジョン 凋落の端緒は2011年ごろ。ドラマやバラエティの苦戦が響き、視聴率の低下が始まった。そこで2013年、「踊る大捜査線」など数々のヒット作を生み出したプロデューサーの亀山氏が社長に抜擢されたのだ。 亀山社長は2014年に昼の長寿番組「笑っていいとも!」を打ち切り、2016年に「ごきげんよう」を終了、昼