これから何回かに分けて、数学で使用されている記号の由来について、報告してみたい。 我々が、学校で数学を学ぶ場合、四則演算の記号(+、-、×、÷)に始まって、多くの数学記号を学ぶことになる。殆どの人が、それらの数学記号を漠然と受け入れており、なぜその記号が使用されるようになったのかについてまで、気にすることはないと思われる。そこで、たまには、これまで慣れ親しんできた数学記号の由来を知っておくことも、より数学に親しみを感じてもらうために良いことなのではないかと思って、これらについて調べてみることにした。 第1回目の今回は、四則演算の記号(+、-、×、÷)の由来について、報告する(なお、実際のより詳しい記号の歴史や経緯等については、脚注に掲げた米国の数学者、数学史家のフロリアン・カジョリ(Florian Cajori)の文献1等を参考にしていただくことにして、ここでは筆者の判断に基づいて、ポイン