粉雪が舞う中、住人が少ない山間部でも丹念に回り、名前を連呼する選挙戦を展開した(12月10日)〔PHOTO〕結束武郎 黄川田徹復興副大臣(59、岩手3区)が、スーツの内ポケットを指差して「これを見て」と言った。そこに縫いつけられていたのは、「W. Mitsui」との刺繡。スーツは、国会で席が隣の三井辨雄厚生労働相(70)の〝お古〟だった。 「震災直後、家も何もかも流され、着るものもありませんでした。『(洋服の)青山に行ってスーツを買わなきゃ』と話をしたら、『こんなんでよければ』と三井さんが夏物・冬物あわせて10着ほどくれたんです。だから、ほら・・・・・・」 微笑みながら黄川田氏が視線を落とした先に、折り返して丈を詰めたズボンの裾が見えた。12月10日、黄川田氏が岩手県陸前高田市の事務所で、本誌に選挙戦にかける思いを語った。 昨年3月11日の大津波は、黄川田氏から義理の両親、妻の敬子さん(享