『大阪に於ける百貨店は果して飽和状態にあるか』という小さな本がある。このタイトルを見れば、誰しも現在、大阪で展開されている百貨店の増床合戦を思い浮かべるに違いない。特に激戦地となっているのがJR大阪駅周辺の梅田地区である。この地区には、すでに阪急百貨店(6.1万㎡)、阪神百貨店(5.4万㎡)、大丸梅田店(4万㎡)の3店舗が存在するが、そこに2011(平成23)年に5万㎡の三越伊勢丹が参入する。それを迎え撃つように、阪急が8.4万㎡に、大丸が6.4万㎡にそれぞれ増床する。阪急の増床が当初予定より遅れて2012年となったが、現在15.5万㎡の売場面積が一気に25.2万㎡へと、ほぼ10万㎡もの増加となる。 梅田地区だけではない。ミナミと呼ばれる難波・心斎橋地区では、大丸(3.7万㎡)が隣接するそごう(4万㎡)を継承するほか、高島屋(5.6万㎡)が7.8万㎡に増床し、阿倍野では2014年に近鉄百貨