さる10月20日のエントリで紹介したOECD方式の相対的貧困率ですが、ここでは、相対的貧困率だけで何か政策を論じられるなんて思ってはいけないよ、という話を。 もう7年以上も前になりますが、すでに廃刊になった『総合社会保障』という雑誌に「ニュー・ヨーロッパへの新展開--変貌するヨーロッパの雇用・社会政策」という連載をしていたことがありますが、そのときに、EUでは貧困から社会的排除に問題意識が変わりつつあると言うことを紹介し、その一環で、「貧困と社会的排除の指標」の開発にむけていろいろと取り組みがされていることも紹介しました。 http://homepage3.nifty.com/hamachan/shahoshinpo6.html このときに紹介したアトキンスン報告では、つぎのような包括的な指標によって、人々がどれだけ社会に統合されているかを測ろうとしていました。 (1)経済的貧困:世帯所得