慶応大、東京大などの研究チームは、子宮を摘出して再移植したカニクイザルの妊娠・出産に成功したと発表した。 霊長類が子宮移植後に出産まで至ったのは世界初という。札幌市で開かれている日本産科婦人科学会で10日報告された。 子宮移植は、人間では海外で妊娠まで至った例が報告されている。マウスなどでは、移植後に出産した事例はあるが、霊長類では出産の報告はない。 同チームは、6歳のメスのカニクイザルの子宮を血管を付けたまま摘出、同じサルに再移植した。移植35日後に月経が再開し、116日後に自然妊娠、交配後143日後に帝王切開で出産した。胎児の発育に問題は見られなかった。 さらに、摘出した子宮を別のカニクイザルに移植し、拒絶反応を抑える免疫抑制剤を使った実験も進めているという。