学習性無力感 どんなとき、人は無気力に陥るのでしょうか。それは、無気力を学んだときです。「いってもムダ」「やってもムダ」という環境に長く身を置くと、だんだん「気力」が低下し、やがては完全な無気力状態になってしまいます。これを心理学では「学習性無力感」と呼んでいます。「学習性無力感」を理解する上で、あるお魚のおもしろい実験があります。 カマス実験 10匹のカマスを水槽の中にいれ、エサをしばらく与えないでおきます。カマスを空腹状態にさせるのです。次に、水槽の真ん中に透明なガラス板をいれて仕切り、右側に10匹すべてのカマスを集めます。そうして左側に、カマスの大好物である小魚をたくさん入れて泳がせてやります。そうすると、カマスたちは小魚を食べようとものすごい勢いで突進します。 ところが、間仕切りの透明ガラスがあるため、食べることはできません。何度も何度も激突を繰り返しますが、やがてカマスは疲れ果て