『渋沢栄一伝記資料』 3編 社会公共事業尽瘁並ニ実業界後援時代 明治四十二年~昭和六年 / 2部 実業・経済 / 2章 交通・通信 / 2節 陸運 / 5款 富士身延鉄道株式会社 【第51巻 p.523-534】 1912(明治45)年4月26日(72歳) 是より先、小野金六・堀内良平等、富士駅より大宮・身延を経て甲府に至る鉄道を敷設せんことを計画す。栄一、其企画に賛成し、当会社創立に尽力す。四十四年六月二十三日免許を得、軽便鉄道法に依りて指定せらる。是日、当会社成立す。 [ 解説 ] 山梨県西部から静岡県東部を経由して駿河湾にそそぐ富士川流域には、江戸時代より高瀬舟による舟運が発達していましたが、甲州の水を集める富士川は雨が降ると運輸が途絶し、また水難なども問題となっていました。その対策として甲州の実業家堀内良平(ほりうち・りょうへい、1870-1944)は地元有志らと図り、私設鉄道を富