■相手も自分も尊重する「アサーティブ・コミュニケーション」 【澤円】コミュニケーションというと、戸田さんは『アサーティブ・コミュニケーション』(日経BP)というご著書を出されています。耳慣れない人も少なくないと思いますが、「アサーティブ・コミュニケーション」とはなんでしょう? 【戸田久実】ひとことでいうと、「相手も自分も大切にした自己主張、自己表現」のことで、ベースにあるのは「相互尊重」です。 【澤円】つまり、相手のいうことに対してただ「イエス」というコミュニケーションではないということですよね? 【戸田久実】会社といった組織がきちんと成果を上げるためには、リーダーなど誰かひとりの意見がつねに正しいとされる状況は好ましくありません。ときには部下の意見が正しいということだってあるのですから、若手であっても自分の立場や経験、能力などを卑下することなく自分の考えをうまく伝えられることが大切なので