佐野洋子のエッセイをはじめて読んだ。 ヨーコさんの“言葉” じゃ、どうする [ 佐野 洋子 ] 絵(北村裕花)とともに 軽やかに紡がれた言葉に、 うんうん、ふむふむ、ぷぷぷっ と、共感したり納得したり ほくそ笑んだり、 愉快な気持ちになって ページをめくった。 9つ目の「あとがき」とされる章では あんまり大切に思っていなかった友だち のお見舞いに行っていた。 時々は、つきあっているのは時間の無駄だと思ってさえいた 友だちの。 あぁ……… と思った。 立派な尊敬にあたいする 友人だけを持っていたら、 私はなんと 貧しい土に生きている 生き物だっただろう。 あぁたしかに…… と思った。 二人で過ごしたおびただしい 無駄な時間の流れ、 その無駄を吸い上げて、 私たちは生きてきた。 なぜだか 懐かしい気持ちがこみあげた。 私は無駄なものが好きだった。 すぐには 役に立ちそうもないものや、 何に使っ