[Part4] [スイス] 救助犬の役割が変わった 救助犬の集中力は長くても30分間。休憩を取りながら9匹が交代で活動すれば半日ほど捜索できる photo:Michael Fichter 客室のあちこちから時折、犬の鳴き声が聞こえる。 3月17日、青森県三沢市内のビジネスホテル。被災地から引き上げてきたスイス救援隊を訪ねた。 スイス隊の強みは、厳しい訓練で探索能力を磨き上げた救助犬だ。 がれきのわずかな隙間から生存者の「におい」を感じ取ると、吠えて隊員に知らせる。 犬は、人が生きている場合と死んでいる場合をかぎ分けられる。だから犬への指示を変更すれば、生存者ではなく、遺体の所在も突き止めることができる。 アルプス山脈で遭難者を救出するため、スイスでは17世紀半ばから救助犬が活躍してきた。 「とにかく救助犬をたくさん連れてきてもらえるとありがたい」。日本政府は今回、支援を申し出たスイス政府に