先日、都内で開かれたIoT(モノのインターネット)のセミナー。質疑が始まると、すぐに1人の男性が手を挙げて、こう質問した。「技術革新については分かりました。それで、IoTで一番儲かるのは誰なんでしょうか」。 ストレートな質問だが、世のビジネスパーソンが一番知りたい内容だと思った。壇上の講師は「あらゆる産業が変革を求められ、変われば恩恵を得られる」と答えたが、質問者は納得した様子ではなかった。 結局、IoTで儲かるのは誰なのか。日経ビジネス5月23日号の特集「データ資本主義」の取材で、こんな問題意識を持っていた。 IoTは、あらゆるモノがインターネットに繋がる概念だ。スマートフォンだけでなく、クルマや医療機器、薬、服などにセンサーが付き、様々なデータが集まり、そのデータを解析することで新たなサービスが生まれる。モノ自体の付加価値も上がるとされる。 調査会社のIHSテクノロジーの推定では、20