東京電力福島第1原発事故に伴い、諸外国が設定した日本産食品の輸入規制が24の国・地域で続く。政府は2019年の農林水産物・食品の輸出額目標を1兆円とし、東北でも輸出を伸ばす生産者が出てきた。それでも、輸出額が大きいアジア諸国ではなかなか規制が解除されず、海外への販路拡大に壁を感じる事業者もいる。(東京支社・小木曽崇) 岩手、宮城両県を拠点に和牛を生産する農業生産法人「うしちゃんファーム」(宮城県石巻市)は15年、輸出を始めた。現在はベトナム、タイ、シンガポールなど東南アジアを中心に年間1億円以上を売り上げる。 各国を飛び回る佐藤一貴社長は「世界の牛肉需要は増えている。規制がなくなれば国産牛肉の輸出はもっと伸びる」と見通す。 輸出をてこに成長する企業がある一方、輸入規制を依然として大きな障害と捉える企業は多い。 センコン物流(名取市)は18年1月、マカオ向けに仙台牛の輸出を始めた。久保田晴夫
みやぎ登米農協、ひとめぼれ938トン初輸出へ アジア、米国向け みやぎ登米農協(登米市)は2018年産米938トンを香港やシンガポール、米国などに初めて輸出する。人口減や消費の先細りによりコメの国内需要が年々減少する中、新たな販路を海外に求めて農家の所得向上を図るのが狙い。輸出量は、東北の単位農協で最大となる。 輸出するのは、登米市内の農家235戸168ヘクタールの水田で収穫された環境保全米「ひとめぼれ」。みやぎ登米農協のコメの総生産量約3万5000トンの約2.7%に当たる。米穀卸の神明(東京)を通じて海外取引する。 環境保全米は、農薬と化学肥料の使用量を通常の半分以下に抑えた栽培方法で作ったブランド米。 国による生産調整(減反)が18年産米から廃止されるのに伴い、農林水産省は水田で転作作物を作る生産者に配分する「水田活用の直接支払い交付金」のメニューを拡充。輸出米生産に10アール当たり2
東京電力福島第1原発事故に伴う福島県産食品の輸入規制を緩和する国や地域が徐々に増えている。規制措置を取った54カ国・地域のうち、今年1月までに21カ国が規制を完全撤廃した。ただ、事故前の主要輸出先だった香港や台湾の規制緩和は見通せず、県などは東南アジアへの輸出拡大を模索する。 農林水産省によると、原発事故後、検査証明書も不要とするなど規制を完全に撤廃した事例は年間2~5カ国で推移している。16年はインド、クウェート、ネパール、モーリシャス、イランが撤廃した。 欧州連合(EU)を含む18カ国・地域は、放射性物質の検査証明書などの提出を義務付ける。韓国や中国、香港、台湾など7カ国・地域が輸入停止を継続する。米国など3カ国は日本国内での出荷制限品目を輸入停止としている。 規制の緩和、撤廃に向け、福島県は国と連携し、県産食品の安全性について情報発信を続ける。今月上旬にはモロッコなど3カ国の規制当局
<仙台空港民営化>LCC軸に路線を拡充 ◎東急グループ提案内容判明 2016年6月末の完全民営化を目指す仙台空港の運営委託をめぐり、優先交渉権者に選ばれて国土交通省と基本協定を締結した東急グループの提案内容が18日、判明した。格安航空会社(LCC)を軸に路線を拡充。民営化4年後の20年度の年間旅客数として、14年度比で90万人増の約410万人を目標に掲げた。新規路線の誘致策として、旅客減少時に着陸料の負担を軽減する制度を全国で初めて導入する。 20年度の旅客数目標の内訳は、国内線が14年度より60万人ほど多い362万人、国際線が約3倍の48万人と設定。民営化30年後には宮城県が掲げる数値目標(600万人)に近い計550万人の実現を目指す。貨物量は20年度に現在の約2倍の約1万トン、30年後に2万5000トンを見込んでいる。 路線拡充はLCCを中心に据え、国際線の就航先は香港や上海、台
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