お金とやりがい、どちらを取りますか?という質問をする方がいる。しかし、この問いは、残念ながら的を外しているかもしれない。 ある製造業の会社に訪問した時の話だ。経営者と採用について話をしていたとき、私は一つの考えさせられる意見を聞いた。 ■ 「金もやりがいも欲しい人しか、採用したくないですよ。」 と、その経営者は言った。 「お金なんかいらない、なんて嘘じゃないですか。私は嘘は嫌いです。あるいは、やりがいなんていらない。お金だけください、なんて、そんな面白くない人物と仕事はしたくないです。だから、私は「お金もやりがいも欲しい」っていう人しか、採用しません。」 私は意図を図りかねていた。 「欲張りな方のほうがよい、ということでしょうか?」 「いえ、もう少し現実的な話です。実際、この世にあるのは「やりがいがあって、金がそれなりに貰える仕事」と、「やりがいもなければ、給料も安い」という仕事がほとんど