中国各地で中小企業に異変が起きている。預金流出に高利貸しに頼った投機。挙句の果てに、経営に行き詰まり経営者の夜逃げも急増。ものづくりも危うくなってきた。この異変は中国型成長モデルの限界を示しているのではないだろうか。(在北京ジャーナリスト 陳言) 中国では、10月初旬に1週間以上の大型連休があった。国務院の温家宝総理は、休みを取らず、夜逃げが多く発生した「浙江省で経済運営の状況について(10月)3日と4日の2日間を使って調査した」と、国営新華社通信が伝えた。 温総理は、紡績関連の企業を視察し、市民の生活もあわせて調べた。国内の経済情勢は安定しており、とくにマクロ経済に問題が起きているわけではないと強調した、と新華社は報道したが、民営企業の経営が青息吐息の状況にあり、とくに金融の行き詰まりや、民間では高利貸しが跋扈していることについて、温総理がどんな指示をしたかは、触れずじまいだった。 「パ