祝日が無い6月は連休のある5月の次の月ということと梅雨の時期と相まって、なにも楽しみが無く鬱々とした月ではあるが、2010年の6月は忘れられない月になりそうだ。 そう、6月の13日に小惑星探査機「はやぶさ」が7年以上にわたる苦難のミッションの最後の試練に挑むべく地球に帰ってくるのだ。 本書は2006年に書かれているので、はやぶさが小惑星イトカワへ着陸し帰還を開始するまでとなっている。 それに加えはやぶさのミッションだけでなく日本の宇宙開発の歴史も、小惑星イトカワの名前の元となった糸川英夫を中心に綴られている。 日本の宇宙開発がどれだけ低予算で行われているかや、人との繋がりを大切にした開発の成果は日本の技術力の高さを素人でもわかりやすく確認できる内容となっている。 しかし、この技術力の高さや偉業の意味をちゃんと理解している日本人は少ない。 不況が続く昨今、国家予算を抑えるべく行われている仕分