日本の伝統美をモダンに表現したメーンロビー。古代からの切子玉形を連ねた「オークラ・ランターン」が映える 日本のモダニズム建築の代表格、ホテルオークラ東京本館(東京都港区)の建て替え計画に対し、海外著名人らから惜しむ声がわき上がっている。8月末の閉館と解体が迫るなか、「Save the Okura(オークラを守れ)」の訴えはやまない。(黒沢綾子) ◇ 「将来後悔しないように今、行動を起こしましょう」-。イタリアの高級ブランド「ボッテガ・ヴェネタ」のクリエイティブ・ディレクター、トーマス・マイヤーさん(58)は公式ホームページやSNS(交流サイト)などで世界にこう呼びかけている。 オークラ本館は東京五輪(昭和39年)の2年前、創業者の大倉喜七郎が掲げた「世界からの客人を『日本の伝統美』でもてなす」を理念とし、建築家の谷口吉郎を筆頭に当時の建築デザイン、美術工芸の第一人者を集めて完成。その象徴が