殺人などの凶悪事件では、加害者本人だけでなく、その家族にも厳しい批判が向けられることがある。1998年の「和歌山市毒物カレー事件」では殺人などの罪で林眞須美死刑囚の死刑が確定している。その一方、林死刑囚の長男は「一部のマスコミに人生を狂わされた」と訴えている。ライターの加藤慶さんが、その半生を聞いた――。 【写真】林眞須美死刑囚の長女が中3の時に使っていた数学ノート。監視するマスコミの様子があどけない文字で書かれている。 ■長女が自殺すると、約30人のマスコミが自宅に詰めかけた 林浩次さん(仮名・34歳)は、和歌山毒物カレー事件で死刑が確定した林真須美死刑囚の長男である。今から約23年前の1998年10月4日、両親が殺人未遂と保険金詐欺の容疑で逮捕されたのを境に、浩次さんは加害者家族「林家の息子」として、社会から想像を絶する虐げを経験する。 「早く終わりにしてほしい。毎年7月25日(※事