気球と風の計測 最近いろいろあって(?)、観測ツールとしての気球の存在が広く知られるようになってきましたが、ヘリウムや水素を充填した気象観測気球(ラジオゾンデと呼ばれる)は、民間航空機の約3倍の高度まで上昇することができ、毎日世界各地で数千個の気球が上空の温湿度や気圧の観測を行っています。 観測後に観測装置はパラシュートで落下しますが、コストがかかるので基本的には回収せず使い捨てにします。どこに落ちても大きな問題にならないように、観測装置は非常に小型かつ軽量にできているのが特徴です。このような気球による気象観測は100年近く行われてきました。 一方で、このような軽量の装置(センサー)で観測できる対象は非常に限られています。昨今、気候変動の動向に対して国際的に注目が集まっていますが、大気の直接観測データの貴重な供給元である気象観測気球の計測対象や基本構造は発明時から大きく変化していません。