うるう秒は地球の自転などに基づく「天文時」と、原子時計を基にした「原子時」の時刻の差を0.9秒以内に収めるため、原子時の時刻に不定期に追加または削除する秒のことです。うるう秒で調整した時刻が世界の標準時である「協定世界時」です。これらは国際電気通信連合(ITU)の無線通信部門が最初に定義しました。 最近はうるう秒を見直す議論が盛んです。2022年夏に米メタ(旧フェイスブック)が廃止を訴える声明を出しました。同年11月には原子時や協定世界時を維持する国際度量衡局が事務局を務める国際度量衡総会で、少なくとも100年間は時刻を調整しないと提案する決議を出しました。実質的な廃止論です。 背景にはIT機器の普及があります。うるう秒に対応するエンジニアの作業負荷やシステム障害などの弊害が目立つようになりました。さらに2022年途中から地球の自転が速まっています。従来は自転速度が協定世界時よりも遅く、追