ワクチン接種に盲導犬は同伴できません――。長引く新型コロナウイルス禍は盲導犬と行動を共にする視覚障害者にも影響を及ぼしている。日本盲導犬協会の調査(2021年度)では、「衛生上の理由」など誤った認識から、医療機関に同伴での受け入れを拒否される事例が目立った。感染対策で周囲に気兼ねし、孤立感を深めている盲導犬ユーザーも多い。当事者の声から、周りの人ができることも見えてきた。 「衛生上の理由」で認めらず 21年6月、青森県に住む盲導犬ユーザーの梅沢愛子さん(67)は、4歳の雄のゴールデンレトリバー「アルタ」と共に新型コロナワクチンの接種会場となっているコミュニティーセンターに向かっていた。前日には自治体の担当課に立ち寄ってアルタ同伴での接種について相談。担当者からは「会場の医師にも連絡しておく」と回答をもらい、何の不安もなかった。 ところが、受け付けを済ませて待機スペースで順番を待っていると、